Leanな生活について考えるブログ

「LeanStartUp」や「デザイン思考」や「UX」な考え方についていろいろ考えたり、日々の生活で実践したり。

シーン19 家庭教師(1)

○ 川岸
 
 寝転がっている雄一
 
○ 駅
 
 ストリートミュージシャンが音楽をならしている
 
 
○ 予備校
 
亮介「よう、雄一君」
雄一「また、あんた」
雄一「家庭教師、断りましたよ」
亮介「いや、ちょっとまてよ、俺も一応ここの生徒なんだよ。医学部コースのな。ま、あんまいってねえけどさ」
雄一「そうですか」
 
亮介「最近、どうよ」
雄一「別にどうもない」
亮介「なかなかうまくいかない、成績がのびない。やればやるほどなにをやっていいかわからない。図星?」
雄一「そうやって、相手の気持ち読んだ気になって、一歩上手をよんでるかんじ、たのしいですか?」
 
 
 雄一とまる
 
雄一「なんで、僕にからんでくるんです?僕はお金払えませんよ。そんな金ないんで」
亮介「なんでかなぁ。ま、ゆうちゃんにね。頼まれてるし」
雄一「あんた、ゆうの新しい彼氏?」
亮介「ちがうちがう、そうじゃない。そんなに睨むなよ。
 いろいろ弟が迷惑かけただろうから、恩返しかな」
雄一「そんな義理堅いひとに見えないけどね」
亮介「きびしい」
亮介「ま、興味があるんだ。昔の俺に似てるかな」
雄一「そうですか」
 
 歩き始める
 
亮介「雄一君さ」
亮介「隆に勝ちたいんだろ?」
亮介「永大いっていい人生送って、あいつの生き方否定してやりたいんだろ?」
亮介「今のままだと、お前、勝てないぜ、隆に」
亮介「君の成績だとうからない」
亮介「俺には何が正解だとか、君にいうことはできない。それは君自身の問題だから。俺だってなにが正解かなんてわからないし」
亮介「だけど、俺は君を合格させることならできる。それは保障する」
 
 雄一、止まる。
 
亮介「意地はってるばあいじゃないだろ」
 
 雄一、したをむいている。
 しばらく考えている。
 突然ふりかえる。 

雄一「すいません」
亮介「ん?」
雄一「150円かしていただけませんか?ジュース買いたいんで」