Leanな生活について考えるブログ

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■ コラム:新春対談 鈴木敏夫VS押井守 を読んで。

http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/ghibli/cnt_interview_2004so.htm
 
このひとたちの話は相当面白い。ここんとこのいろんな表現方法のいきづまり、っていうか、新しいタイプのものが登場する前夜の状況っていうか、そういうのをやばいくらいにあらわしている気がします。
 
 
正直、押井さんの作品は、すっきりした感情でみれたことがなかった。つまらない、というわけではないんだけれど、というよりむしろ興奮してみているんだけど、すわりが悪い、というか。どう評価していいかわからない、不思議な感覚。これっていったいなんなんだろうとずっと思ってて。
 
でもこの「正確に言うと、人間という「現象」や「存在」には興味がある。でも、個々の感情や心理といったことは文学に任せとけと。」って言葉で、なんか納得しました。
 
あー押井さんの作品は「押井」というジャンルの作品なんだろうなと。他の「アニメ」とか「邦画」とかそういうジャンルのものと比べても捕らえきれないな、と。
 
洋画タイプの作り方でもないし、かといって邦画タイプの作り方でもない、だからといってアニメの作り方でもない。
 
肉体をかくことを徹底的に拒否する。感情を描くことを徹底的に拒否する。人間一人一人の情緒から一段階距離を置いたところから物事をとらえてる。だからストーリーの作り方は既存の起承転結なんてぶちこわしで。彼の作品は、既存のアニメや邦画のパーツの組み合わせでできていない。既存のものはほとんどが感情の起伏のパーツでできているから。でもだからといって、感情的な面がないかというと違って、なおかつそこには不思議な情緒があるんです。
 
こういうのを作ってるのはこの人しかいないけど、こういう「ジャンル」なんだろうなと。ただ同じジャンルをつくっている人がほかにいないから、評価の仕様もなく、違和感だけがのこることになっていたんだなぁ。
 
と一人納得しているわけですが。とにかく、宮崎監督の話とか、この短い対話のなかで、全て氷解する部分があって。流石、濃い。
 
必見の対話です。
 
っていうか押井さんと宮崎さんの対話を見てみたいなぁ。もう、絶対喧嘩になって対話どころのはなしじゃないだろうけど(笑
 
 
☆素敵コメント集
 
押井「でも、結果的にお客さんは『ナウシカ』という女の子を見ている訳でしょう。」
 
鈴木「今、宮さんは『ハウルの動く城』を作っていて、毎日イライラしているんです。なぜかと言うと、宮さんは、登場人物の気分や感情を出そうとする。ところが、最近の若い人たちは、それを描けない。で、若い人たちが描いた動きを「違う!」と言っては描き直している。ところが押井さんは、「そんなの分かっていなかったのか。今の若い人たちはとっくにそうなっている」と。」
 
押井「ある人が言ったんだけど、最近の日本映画に出てくる若い女の子は幽霊みたいだって。いつどこで寝て食べて生活しているのか分からない。要するに体がない。」