シーン18−1 映画(2)
○ 映画館
映画をみている二人
○ 喫茶店
無言の二人
○ 外
雄一とゆうが歩いている
ゆう「勉強がんばってるみたいだね」
雄一「まぁ」
ゆう「亮介さん、会った?」
雄一「え?…あぁ…」
ゆう「どうだった?勉強教えてもらえるって?」
無言
雄一「余計なことすんなよ」(小さな声で)
ゆう「え?」
雄一「…」
ゆう「そっか」
ゆう「ごめん、余計なことしちゃったね」
ゆう「いっちゃんなら、一人でがんばれるよね」
雄一、強くてのひらをにぎりこむ
○ 道(夜)
歩いている雄一
落ち着かなくなってくる
自動販売機でジュースを買う
音を立てて飲み干す
雄一「ちきしょう、のどが渇く…」
○ 家
雄一、勉強している
調子はよい
だんだん、雄一落ち着かなくなってくる
雄一電話する
雄一「もしもし・・・いや、ただ声がききたくなった」
○ 家
雄一電話している
雄一「俺はね」
ゆう「ん」
雄一「俺はここより、今ここにいるより外側にいきたかったんだ」
ゆう「外側?」
雄一「でもね、そんな外側なんてないって気づいた。西島はまだ外側にいこうとしていた。それが腹が立つんだ」
雄一「外側がもしかしたらあるかもしれない、って思わせてくれる、それがどうしようもなくいらつかせたんだ」
雄一「でもどうせそのうちこっちに戻ってくると思ってた。あいつだっておれだってたいしてかわらない、変われないと思ってた」
雄一「でも、あいつはいってしまった、そのままこの世の外側へと」
雄一「俺はあいつに勝たなきゃいけない。こっち側で俺はあっちにいったあいつに勝たなきゃいけないんだ」
雄一「外側なんてないんだって、みんなに気づかせたいんだ。そんなの幻想なんだ」