Leanな生活について考えるブログ

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【SXSW2012 Meetup イベントレポート】海外のスタートアップイベントは、「参加」することに意義がある?ない? 

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先日は、「SXSW2012 Look Back Meetup~SXSW2012を振り返り、SXSW2013に向けて多くを語り、多くを学ぶ!」っていうイベントにいいってまいりました。会場はmixiさんです。shibuyaUXで最近よく行ってますが、今回は一部屋に200人以上の参加者ということで、いつもと違う雰囲気になっておりました。

今回の趣旨は『サウスバイサウスウエスト(SXSW)2012インタラクティブが3月9日~13日に米テキサス州オースティンで開催され、日本からも多数のスタートアップやメディアが参加しました。参加者達による熱いディスカッションと各種スタディの ためのミートアップを開催し、来たるSXSW2013への戦略的ノウハウ共有をしっかりと進めます。』ということ。

実際、たっぷり現場に行った人々の熱意、思い、衝撃を伺うことができました〜。

SXSW2012自体のレポートは、以下の記事などをご参考に。

なぜ人はSXSWを目指すのか?世界中のスタートアップがオースティンに向かう理由【井口尊仁】 : TechWave
SXSW2012、日本のスタートアップによる音楽系サービス5選【本田】 : TechWave

今回のミートアップで、自分なりに学んだ点、気付かされた点をいくつか書き残しておこうと思います。

1.イベントは、大きな「スタートアップエコシステム」の流れの1部分であること

SXSWに限らず、こういったイベントってのは、出すことが目的になりがちではありますが、このイベントはほとんどのスタートアップにとって、はじまりから「決勝戦」の様相だということ。ここのイベントにでてきて、成果をだすスタートアップは、少なくとも昨年の12月からTechCrunchなどの有名メディアに取り上げられ、盛り上がってきている状態。
これはある種のアメリカのメディアを中心としたマッチポンプ的活動となっており、メディアとスタートアップとVCの間のエコシステムができあがってしまっている。これはイベントの期間だけでなく、様々な多くの有名イベントをまきこんで1年中ぐるぐるまわりつづけている状態なのだそうです。これは少なくとも理解して、そこに参加している状態でイベントにもでないと意味が無いということ。

2.エコシステムの理解のためには、アメリカの文化を理解し、尊重することが大事そう

さらに、そうしたエコシステムといったものの背後には、おそらく欧米の文化・歴史・経済の大きな流れっていうのもあって、これも理解が必要そう。即物的にいえば英語の勉強が必須。日本の文化を理解しろ、なんてことはほとんど意味がなく、あちらの言葉・文化によりそうように活動することが重要そうだなと感じました。(WIREDの中の人曰く、サムライ的イメージをもちだして宣伝しても、日本の文化を理解しているアメリカ人なんてごくわずかだということです)

英語が苦手なら、通訳をやとうなどすべきだということもいっていました。なんだろう、かっこつけて中途半端な交流しかできないぐらいだったら、かっこつけずにちゃんと交流できることを目的にすべきだってことなんでしょうかね。

3.徹底的な準備のあとにまっているのは、ビジネス的ではない、お祭り的即興的な現場でのプロモーション活動

エコシステムに参加し、英語文化の受け入れも完璧になったのち、はじめて現場での活動が意味がでてくるよう。その事前作業は徹底的で万全な準備が重要だなーと感じましたが、現場では真逆の徹底した即興的なプロモーションが功を奏するようです。

SXSWは、音楽のイベントとしてはじまっているだけあって、音楽FESのようなお祭り騒ぎ的空気が特徴のようで、日本人的おりこうさんなビジネス的態度ではうまくいかないようです。ブース展示をやらずに、街中で、バスの上からプロモーション用のTシャツを投げ回ったり、美しいデザインのフライヤーをくばりまくったり、雨が降ればロゴ入りの傘をくばっていたり。ゲリラ的活動、いかに目立つ活動をするかが重要なよう。

その場の空気を読んで、いろいろ作戦を練り直すことが重要だと、GIZMODEのなかのひとはいっていました。もっていったフライヤーの大きさをその場の声を聞いて即興的に作り直したそうです。


徹底的な準備と、その準備をいかした即興的な実践。これらを両立させるのは並大抵のことではなさそう。人でもかかるし、お金もかかる。

なので、そんな準備は面倒だと、とりあえずやってみよう!的心意気では、成功は難しい。でもやってみなければ、その空気感はわからない。こうした葛藤は、参加者のみなさんからしばしば、話としてでてきたように思えます。

ただ、これらのもっとも簡単な解決方法は、「シンプルにいいサービスをつくること」。ここは頓智のイグチさんも最後にいっていました。これさえできれば、エコシステムに無理にのろうとせずとも、自然に話題になるし、現場でも飛び道具をつかわずとも話題になれる。ただ、簡単にそれができるなら、楽なことはありませんです。

ただ逆に言うと、シンプルにアメリカで受けるサービス。それはなんなのだろうか。結局それを理解するために、SXSWなど、海外の潮流に挑戦していく価値があるんだろうなぁとおもいました。

一部の飛び抜けて外人に受け入れられるサービスをのぞいて、SXSWは手段ではなく、海外の文化、うけいれられるための方法の勉強の場でありそう。「成果はでなかったけど、自分の刺激になった」っていう声もありました。

だから、会場からの質問で「現場ではどうしたら成功するか?」の質問に、「とりあえず、SXSWに参加しろ」といっていていたのだろうなぁ。一見、すれ違った回答におもえます。質問者は、おそらく、成功のための手段の場だと考えていて、具体的な手法をききたかったのでしょうけど、答える人は、そこを理解するには、実際に行ってみていろんなお作法を肌感覚で学んだほうがいい、といっていたんだろうなぁ。


WEBは世界中から見れるので、文化の壁はないように勘違いてしまっていたのですが、今回のイベントを通して、まだまだ日本人にとって、欧米の文化・経済ってのは異世界・新世界であって、わかったきにならず、それこそ江戸時代のなにもわかってない、ださいサムライとして挑戦して衝撃をうけまくるべきなんだろうなぁと思うことができました。そういう意味で今回の参加者たちはほんとうにすごいし、えらいし、うらやましいし、自分もなんとかせんとなぁと思います。