シーン9−2 雄一と西島(2) 昼、屋上にて
○ 同・階段
階段の上
ありが、れつをつくって虫をはこんでいる
そのよこを
屋上にのぼる雄一
○ 同・屋上
ドアをあけると
まっさおな青空
照りつける太陽
誰もいない
錆びかけた柵にもたれかかる
○ 同・階段(回想)
降りている雄一
西島がおいかけてでくる
西島「ちょいまって」
雄一「ん?」
西島「いや、いい機会だから」
西島「あのさ、ちょい大事な話があんだ、明日昼休み暇?」
雄一「ひまっていうかめしくってるだろうけど」
西島「じゃあ明日一緒に飯食おうぜ、学校の屋上でまっててくんない」
雄一「あぁ」
気のない返事
○ 同・屋上
西島「よう」
入り口のドアがあいた
雄一無表情で手をあげる
しばらく沈黙
西島「元気?」
雄一「あぁ」
しばらくめしをたべる二人
西島「今日アッツイよな」
雄一「だな」
西島「ひさしぶりだよな、一緒に飯くうの」
雄一「そうだな」
雄一「用事ってなに?文化祭のこと?」
西島「あぁ、そのこともなんだが」
西島「俺さ」
雄一「ん?」
西島「アメリカいくわ」
西島はカップラーメンを右手に持っていった
雄一「なにしに」
西島「役者になる。ハリウッドの」