音楽家が神格化されやすいことについて
音には絵と違って枠があることに気づきにくい。音を聞いている間、それがどの媒体から発せられているかということを忘れやすい。だから、それを自分の傍におきにくい。客観視しにくい。結果的に、自分の感覚が及ばない「世界」のものとしがちになる。その「世界」に属する音楽を作るアーティストは神に近い存在として崇められる。
もちろん視覚表現だって、枠をわすれたりするぐらい、視聴者が没頭することもあるから、(製作者は)神格化されやすいけれど、音のほうがやっぱりされやすいよなとおもう。
「素晴らしい世界/浅野いにお」の最終話への違和感について
そういえば俺はこの物語の結末の感想をかけていないでいる。一巻の感想は前に書いたんだけれども。その理由はすべて最終話にある。
なんつーか、違和感が残るのですよ。違和感ていうか、別に悪い感じでもないけれど、決して失敗だといっているのではないんだけれど、なんか掴みきれない何か。
ってそれって単純な話でたぶん、大体の話が「生きていればきっと、いつかどこかでいいことがある」っていうポジティブな話であるわけです。それなのに、最終話だけ、物語は解決をみせないまま終わるんです。
ある女の子が、世界で流行る奇病におかされる話なんですが。奇病ってのは、「考えることのいっさいをやめてしまう」病気。でそれにおかされて、最後もとにもどるかなとおもったら、一瞬元に戻るそぶりをみせるものの、なおらないまま終わるんですよ。治る兆候さえない。
話自体もいきなり、今までの話とは違ってSFじみてるし、すごい「浮いてる」とおもってたんすよねー。
っていまだに違和感はあるんだけれども、最近読み直してこれはこれでいいのかなとおもった。というか、最後の話だって、今までの話となんにもかわらないじゃんという。
今までの話だって、「世界は相変わらず最悪で、みんなは何も考えないで生活してて、そんで最悪な出来事ばっかりおこるけど、ときどきなんかのひょうしで、世界はやっぱり美しいっておもえるから、だから前向いていこうぜ」って話でありまして、そんで話の主人公が一応前を向くんだ。で、そこに意識をむけすぎるからあれなんだけど、実際裏の話では「前を向いても結局世界はなんもかわってないんだけどね★」っていうダークネスな裏オチもちゃんとあったわけですよ。
そこが最大にでたのが、最終話なわけで、前を向いていこうぜっていうメッセージをつたえるイベントが、「最悪な病気のなかで一瞬意識がもどったこと」っていう、幸せというには、あまりにも小さなイベントだったわけです。まぁおかげであんまり幸せな話にはみえなかったんだけれど。
でも実は作者の中では、ささいな幸せってのは、現実はこんだけちっぽけで一見不幸にみえるイベントだよ、っていうメッセージがあったりするきがする。そんで世界はやっぱり「考えることのいっさいをやめてしまう」人たちばかりです。そういうもんだけど、生きていくぜ。とかそういうメッセージ。
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天才化
ある人を天才と呼ぶのは、その人間を「社会」の側から「世界」の側へ置く行為ィー。
メモ:アートリテラシー入門
西垣通先生の、21世紀はみんなが自分を表現して生きる実感をえる時代になるというようなことをいってそれをうけての勅使河原氏のコメント「自分なりにモノを作ってみようという世界に冠するとね、そこから一番遠いのは実はアーティストなんじゃないかというふうにw足しは思っているわけです。実際のアーティストはね、現在求められるアートからは一番遠いんじゃないか。自然に自分の気持ちの赴くままに何かを作ることが一番できない人がアーティスト」ってのがなんとなくあれだ。
あと西垣先生のほかのコメントにも科学者にありがちなロマンチストっぽさがでてて楽しい。「社会」をこえて「世界」を面白がってる感じ。すぐに、「生命の本質」とか「宇宙の性質」を、一般個人の生活に結び付けようとする。「社会のしがらみ」とか「制度」「法律」とかをすりぬけて。一昔前の神秘主義者みたいに。でも実際はたいていの科学者は「社会」から逃げてるだけだったりするとおもうよー。
ねすぎた
ねすぎたので色々締め切りがせまってきているわけですぐにでもうごきださなければ間に合わないことがいっぱいなんだけれどもどうして精神的落ち着きを優先させるのであまり焦らない。焦らないと間に合わない。よって間に合わない。よって退学。ええ。
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「不自由」論の人のお金本。今から読む。まぁお金も大事ですからね。とか「も」とかいってかっこつけてるけれども、必死ですよ。マァお金「が」とか「だけが」とかいうほど恥ずかしそうなこともできません。というわけでどっちも無理でお金って難しい。
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伝統とかてめえらがおもってるもんは全然最近できたもんばっかだぜべいべというロックな本。反抗期の少年(俺)が読むと親が「むかしからのきまってることなのだからちゃんとやれ」的な議論をもちかけてきたときに格好のへりくつというなの理論武装が可能になる本。
アート・リテラシー入門―自分の言葉でアートを語る (Practica)
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アート本は文体がかっこつけてるのをどうにかしたほうがいい。かっこつけてるっていうか大人ぶってるのをどうにかしたほうがいい。というか自分は「わかってる」風な文体なのをどうにかしたほうがいい。俺もだ。いろんなひとがアートについていろんなことをいってるんだけれどあんまり新しい意見はないかも。でもいろんなひとのアート論をきけるので参考になる。
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とあるエロ雑誌(sabra)でインタビューしとったのでちょっときになってて最初の曲のイントロが試聴でいいかんじだったのでかりた。んだけれど、ちょときき進めたらやたらメロディアス。メロディアスっていうかやなわらばあとか、キロロとか、おくさまとかそんなんを思い出し始める。うーん。いや、そこまでポップじゃないんだけれど予想外。もっと「音」な音を想像してた。っていうか実際音そのものはそれっぽいんだけど。評価がさだまりません。っつかアニソンじゃねえのこれ。
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そんでエゴラッピン。さいこうー。いやっほう。前恵比寿の映画館の映画予告のときに冒頭でCMやっててこいつが渋くてかっこよくて最高だったので超期待してた。予想を裏切らずとてもよいです。最近激しい音のループばかり聴いていたので、静かでいてそんで主張しない音が耳に心地よい。
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まだきいてないですですです。