新しい「リアル感萌え」と新しい「物語萌え」
- 作者: あずまきよひこ
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2004/11/27
- メディア: コミック
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- 作者: ひぐちアサ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/01/21
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この二つ神がかり的にまじヤヴァイ面白かとですよ。神がかかってる。間違いないってば。何がすごいって、「ありがち」がすべて排除されまくってます。別にただ単に自然主義的になんでもかんでもそのまま、朝起きて歯みがいてトイレいって朝飯食ってとかいうふうに、ガキの夏休み日記みたいなかんじに、リアルにしました!ってんじゃなくてデフォルメリアル感がすごいのさ。「新しいおやくそく」の大量発見たちこそがこのマンガの真骨頂なんです。
リアル萌えみたいなのってあるとおもうんですよね。マンガのなかで。「あ、いまと同じ場面、俺みたことある!」とか。「アルアル!」感。*1その、「既視感」がマンガの中で何度も同じようなものをみまくってしまうと「おやくそく感」になる。バナナがあったらすべるとか。昔はあったのかもしれんが、今の時代誰がやるんだ。やってみたいわ。みたいなね。っていうかすいませんそんな「おやくそく」使う人なんてもういないですわーい。まぁ例として。*2
今までの「リアル派」なひとが、手をつけなかった「リアル萌えタイム」の見つけ方がヤバイ。もうこれはひぐちアサ氏は「ヤサシイワタシ」のころから凄いんですけれどもね。「ヤサシイワタシ」のころは、まだ描写力がしょぼくて、リアルっぽいんだけど空気はつたわってくるんだけど、結局こいつはなにがいいたいのかわかんねーって部分が大量にあったんですが(わかるひとにはわかってるだろうけど。何回か読み直したらわかったり)。今回のマンガからはそういうのもほとんどなくなってて。
よつばとは、もう完璧にわかりやすい。なのにみたことのない、「未来のお約束候補」なシチュエーションが大量に。よつばの、次を予測できない行動とかがさらにそれを加速させています。それに加えて「ちいさな人情物語」のできが秀逸。あのちょっとヲタっぽい絵柄さえ忘れれば、爆発的にヒットしそうな。
のだめカンタービレ(1) (講談社コミックスキス (368巻))
- 作者: 二ノ宮知子
- 出版社/メーカー: 講談社
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ハチミツとクローバー 1 (クイーンズコミックス―ヤングユー)
- 作者: 羽海野チカ
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今、爆発的にうれている「のだめ」「はちくろ」ですが。これも神がかり的に面白いですが、どっちかってーと物語力でひっぱっている感があって、まだマンガってきがします。いや、それがすばらしいんです。展開力のすばらしさこそが戦後マンガの真骨頂。(もちろんそれにプラスして上の、新しい「リアル」を大量に投入しているとはおもうんですが)
でも、一番上の二つのマンガは、展開力とかなくても、その場の空気感だけでよめてしまう。漫画史的にいえば、「大きな物語」をなくした後の典型的マンガですな。「データベース」に新しい「リアル」感を大量投入し、それの組み合わせの妙でできている。
まぁそのへんつっこみだすときりがないのでやめえていこー。*3
しかしそれにしても、ひぐちアサのリアル感萌えの大量投入はすごいです。それに加えて展開力もすばらしそうな感じで、さらにおおばけしそう。まぁ今はちょっとテンポおそいかんじだけどね。リアル感萌えをかきこみすぎてて。それがいいんですが。
今までのスポコン(物語重視)+メロドラ(それってある感)こそが面白さのポイントかなー。
あと、もっと、よつばとよりの、物語なんてどうでもよくて、空気感があたらしけりゃいい!ってかたにおすすめなマンガがこちら
- 作者: 志村貴子
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
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- 作者: ゴツボリュウジ
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2002/06
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これらも空気感があたらしいよ。ニュー「リアル感萌え」がいっぱいっすわ。
■参考
・「ヤサシイワタシ」ひぐちアサ レビュー
「オトナニナリタイワタシタチ」→http://d.hatena.ne.jp/miyatad/20031220#p3
- 作者: ひぐちアサ
- 出版社/メーカー: 講談社
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- 作者: ひぐちアサ
- 出版社/メーカー: 講談社
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*1:スポコンのかわりに、70年代以降ふえたといわれてますが。
*2:でもそういう「おやくそく」が重なっていってできたのが「萌え」だとおもうんすよね。メガネっ娘萌えとか、プニ萌えとか。設定萌えとか。それにたいして「ありがち」と反応するんじゃんくて「あるある」と内輪うけするネタで「わかってるねー」ともりあがるのがヲタ系萌え文化やとおもうんですが(暴論)。(あとネタが性的なものに偏ってるとか)。萌えってつかってるのは、社会に広がって、定義がひろがったとはおもいます。一般的な「萌え」の近い方とかは、性的なものに限らなくなってる感じがします。
*3:ひぐちアサの前回のマンガは「大人になれない僕たち私たちがどうやって成長するのがいい?」がテーマだとすれば「大人になれない僕たち私たちがこうやって成長するのがいい。」がテーマなマンガがおおふりな感じ。