Leanな生活について考えるブログ

「LeanStartUp」や「デザイン思考」や「UX」な考え方についていろいろ考えたり、日々の生活で実践したり。

新しい「リアル感萌え」と新しい「物語萌え」

よつばと!(3) (電撃コミックス)

よつばと!(3) (電撃コミックス)

おおきく振りかぶって (3)

おおきく振りかぶって (3)

 
この二つ神がかり的にまじヤヴァイ面白かとですよ。神がかかってる。間違いないってば。何がすごいって、「ありがち」がすべて排除されまくってます。別にただ単に自然主義的になんでもかんでもそのまま、朝起きて歯みがいてトイレいって朝飯食ってとかいうふうに、ガキの夏休み日記みたいなかんじに、リアルにしました!ってんじゃなくてデフォルメリアル感がすごいのさ。「新しいおやくそく」の大量発見たちこそがこのマンガの真骨頂なんです。
 
リアル萌えみたいなのってあるとおもうんですよね。マンガのなかで。「あ、いまと同じ場面、俺みたことある!」とか。「アルアル!」感。*1その、「既視感」がマンガの中で何度も同じようなものをみまくってしまうと「おやくそく感」になる。バナナがあったらすべるとか。昔はあったのかもしれんが、今の時代誰がやるんだ。やってみたいわ。みたいなね。っていうかすいませんそんな「おやくそく」使う人なんてもういないですわーい。まぁ例として。*2
 
今までの「リアル派」なひとが、手をつけなかった「リアル萌えタイム」の見つけ方がヤバイ。もうこれはひぐちアサ氏は「ヤサシイワタシ」のころから凄いんですけれどもね。「ヤサシイワタシ」のころは、まだ描写力がしょぼくて、リアルっぽいんだけど空気はつたわってくるんだけど、結局こいつはなにがいいたいのかわかんねーって部分が大量にあったんですが(わかるひとにはわかってるだろうけど。何回か読み直したらわかったり)。今回のマンガからはそういうのもほとんどなくなってて。
 
よつばとは、もう完璧にわかりやすい。なのにみたことのない、「未来のお約束候補」なシチュエーションが大量に。よつばの、次を予測できない行動とかがさらにそれを加速させています。それに加えて「ちいさな人情物語」のできが秀逸。あのちょっとヲタっぽい絵柄さえ忘れれば、爆発的にヒットしそうな。
 
のだめカンタービレ(1) (講談社コミックスキス (368巻))

のだめカンタービレ(1) (講談社コミックスキス (368巻))

ハチミツとクローバー 1 (クイーンズコミックス―ヤングユー)

ハチミツとクローバー 1 (クイーンズコミックス―ヤングユー)


 
今、爆発的にうれている「のだめ」「はちくろ」ですが。これも神がかり的に面白いですが、どっちかってーと物語力でひっぱっている感があって、まだマンガってきがします。いや、それがすばらしいんです。展開力のすばらしさこそが戦後マンガの真骨頂。(もちろんそれにプラスして上の、新しい「リアル」を大量に投入しているとはおもうんですが)
 
でも、一番上の二つのマンガは、展開力とかなくても、その場の空気感だけでよめてしまう。漫画史的にいえば、「大きな物語」をなくした後の典型的マンガですな。「データベース」に新しい「リアル」感を大量投入し、それの組み合わせの妙でできている。
 
まぁそのへんつっこみだすときりがないのでやめえていこー。*3 
 
しかしそれにしても、ひぐちアサのリアル感萌えの大量投入はすごいです。それに加えて展開力もすばらしそうな感じで、さらにおおばけしそう。まぁ今はちょっとテンポおそいかんじだけどね。リアル感萌えをかきこみすぎてて。それがいいんですが。
 
今までのスポコン(物語重視)+メロドラ(それってある感)こそが面白さのポイントかなー。
 
あと、もっと、よつばとよりの、物語なんてどうでもよくて、空気感があたらしけりゃいい!ってかたにおすすめなマンガがこちら
 
敷居の住人 (1) (Beam comix)

敷居の住人 (1) (Beam comix)

ササメケ (#01) (角川コミックス・エース)

ササメケ (#01) (角川コミックス・エース)


 
これらも空気感があたらしいよ。ニュー「リアル感萌え」がいっぱいっすわ。
 
 
 
■参考
・「ヤサシイワタシ」ひぐちアサ レビュー
「オトナニナリタイワタシタチ」→http://d.hatena.ne.jp/miyatad/20031220#p3
 
ヤサシイワタシ(1) (アフタヌーンKC)

ヤサシイワタシ(1) (アフタヌーンKC)

ヤサシイワタシ(2)<完> (アフタヌーンKC)

ヤサシイワタシ(2)<完> (アフタヌーンKC)

*1:スポコンのかわりに、70年代以降ふえたといわれてますが。

*2:でもそういう「おやくそく」が重なっていってできたのが「萌え」だとおもうんすよね。メガネっ娘萌えとか、プニ萌えとか。設定萌えとか。それにたいして「ありがち」と反応するんじゃんくて「あるある」と内輪うけするネタで「わかってるねー」ともりあがるのがヲタ系萌え文化やとおもうんですが(暴論)。(あとネタが性的なものに偏ってるとか)。萌えってつかってるのは、社会に広がって、定義がひろがったとはおもいます。一般的な「萌え」の近い方とかは、性的なものに限らなくなってる感じがします。

*3:ひぐちアサの前回のマンガは「大人になれない僕たち私たちがどうやって成長するのがいい?」がテーマだとすれば「大人になれない僕たち私たちがこうやって成長するのがいい。」がテーマなマンガがおおふりな感じ。