Leanな生活について考えるブログ

「LeanStartUp」や「デザイン思考」や「UX」な考え方についていろいろ考えたり、日々の生活で実践したり。

「素晴らしい世界/浅野いにお」の最終話への違和感について

そういえば俺はこの物語の結末の感想をかけていないでいる。一巻の感想は前に書いたんだけれども。その理由はすべて最終話にある。
なんつーか、違和感が残るのですよ。違和感ていうか、別に悪い感じでもないけれど、決して失敗だといっているのではないんだけれど、なんか掴みきれない何か。
ってそれって単純な話でたぶん、大体の話が「生きていればきっと、いつかどこかでいいことがある」っていうポジティブな話であるわけです。それなのに、最終話だけ、物語は解決をみせないまま終わるんです。
ある女の子が、世界で流行る奇病におかされる話なんですが。奇病ってのは、「考えることのいっさいをやめてしまう」病気。でそれにおかされて、最後もとにもどるかなとおもったら、一瞬元に戻るそぶりをみせるものの、なおらないまま終わるんですよ。治る兆候さえない。
話自体もいきなり、今までの話とは違ってSFじみてるし、すごい「浮いてる」とおもってたんすよねー。
っていまだに違和感はあるんだけれども、最近読み直してこれはこれでいいのかなとおもった。というか、最後の話だって、今までの話となんにもかわらないじゃんという。
今までの話だって、「世界は相変わらず最悪で、みんなは何も考えないで生活してて、そんで最悪な出来事ばっかりおこるけど、ときどきなんかのひょうしで、世界はやっぱり美しいっておもえるから、だから前向いていこうぜ」って話でありまして、そんで話の主人公が一応前を向くんだ。で、そこに意識をむけすぎるからあれなんだけど、実際裏の話では「前を向いても結局世界はなんもかわってないんだけどね★」っていうダークネスな裏オチもちゃんとあったわけですよ。
そこが最大にでたのが、最終話なわけで、前を向いていこうぜっていうメッセージをつたえるイベントが、「最悪な病気のなかで一瞬意識がもどったこと」っていう、幸せというには、あまりにも小さなイベントだったわけです。まぁおかげであんまり幸せな話にはみえなかったんだけれど。
でも実は作者の中では、ささいな幸せってのは、現実はこんだけちっぽけで一見不幸にみえるイベントだよ、っていうメッセージがあったりするきがする。そんで世界はやっぱり「考えることのいっさいをやめてしまう」人たちばかりです。そういうもんだけど、生きていくぜ。とかそういうメッセージ。

素晴らしい世界 (2) (サンデーGXコミックス)

素晴らしい世界 (2) (サンデーGXコミックス)