Leanな生活について考えるブログ

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30歳が考える、老後の生活。

 

文庫 定年後のリアル (草思社文庫)

文庫 定年後のリアル (草思社文庫)

 

 

最近、本屋の店頭で勢古 浩爾という人の、老人論をなんとなく立ち読みした。老後の生活がなまなましく想像ができ、はじめて自分事として、老後っていうものを見ることができた。

老人論というのは、なんというか儒教っぽいというか、こう悟れ!みたいなあるべき論が描かれていることが多くて、まぁそりゃそうだなー、遠い世界だなーという感じの話がおおかった。

ただ、たぶん最近団塊の世代が老後をむかえつつあり、老後の雰囲気がかわっているようで、そういう教訓めいた世界ではなくなっている。

ただ、今度はそれはそれでサードウェーブとかなんとか輝かしいリア充な老後の生活が語られていて、それはそれでうん、なんかわかるけど、かっこつけすぎってかんじで自分事にはとらえられず。

勢古さんという方はよく新書をだされていて、実際買ったことはないものの、歯に衣を着せぬ物言いで自称知識人をばっさり切りまくっている元気なおじさんというイメージ。で、そんな人が自分を含めた老人について語っていた。

そうして、はじめて自分と近いカテゴリーの人が、老後こういう生活をするのかーとぴんときた。

なにをするか。なにもしてない。公園でぼーっとしている。毎日。それだけだ。特にアクティブな趣味をしようとはおもわない。じゃあ仕事をするかっていうとそれもしない。金に興味がないわけではないが、稼げない。ああ、これ今の俺と同じじゃないですかってかんじです。

たぶん、ほっといたらこうなるだろうなぁと思います。で、それがなにか不幸かっていうと、そうでもないようで。まぁとりたてて幸せではないんだろうけど、適度に幸せそう。

老後、結局こういう生活がまっているのかもしれない、と思うと妙な安心感があります。金がなくても、趣味がなくても、まぁ生きていて、本読んで、牛丼くって生きているだけで幸せなら、なにを焦っていま若い時分に、功名心にはやる必要があるだろうかと。

別に若いうちに功徳をつむことで、来世に転生できるなんてかんがえているわけではないし。若いうちに成功しても、今度は忙しすぎてそれら資産を活用して自分の好きなことをやる時間はないわけで。となると、リタイヤ後のために成功したいってことになる。

こーゆー本読む前は妙な焦りがありました。

リタイヤ後ってのは、確かに不安で、遠い世界でどんな魑魅魍魎な難題がまっているかわからない、死ぬ前に後悔したくないなぁという漠然とした思いと焦りがあったんですよね。でもまぁなんとなく普通にいきていけるんだろうなぁと。

ならば、今を楽しく生きることを、むしろこの瞬間を楽しむコツをつかんでおくことが老後のぼーっとした時間を楽しく過ごすための修行になるんじゃなかろうか。

なんだかんだで、団塊の世代ぐらいから、自分たちの感覚に近い現代人という感じがしていて、その第一陣が今死にむかっているので、そうしたリアルな情報が得られるようになってきたのは、不謹慎ですがありがたいなぁとおもいます。