Leanな生活について考えるブログ

「LeanStartUp」や「デザイン思考」や「UX」な考え方についていろいろ考えたり、日々の生活で実践したり。

【映画】 行定組のモチーフ全集−世界の中心で愛を叫ぶ

なんだまあこの映画結構前にみたわけですが、今更レビューとかしちゃいますよ。ネットのおかげで時間がとまっちゃってますよ。

とりあえず思ったことは、ユキサダっぽさ全開バリバリだったということですよ。ぽさ、というか定番?ユキサダ組がつくってきた映画たちのキシカンがずんどこでした。ずんどこってなんだろう。原作ものなのにね。

たとえばヒロインの死。遺骨は「贅沢な骨」ではテーマそのものとしてでてくるし、「セブンスアニバーサリー」ではこれもサイゴにでてくる。遺骨に限定しなくとも、必ず女性が死ぬ。死んだことで、残された男が右往左往する。これも定番。ひまわり、贅沢な骨、セブンスアニバーサリー。みんなヒロインが死んだところからはじまったり、ラストで死んだり。葬式のシーンも多い。

旧友との再会も頻繁に見られるモチーフだ。ひまわりは小学生の友人と再会し、当時の思い出といったりきたりして物語がつづられていく。これは世界の中心で愛を叫ぶのシノプスとしても成立してしまう。ちょっと苦しいがきょうのできごともそれに含まれるといえば含まれるだろう。

世界の中心で愛を叫ぶはべつにオリジナル作品ではないわけだから、ストーリーがここまで被ったのは偶然か、本をよんだプロデューサーの頭の中に、まっさきに似てる話をやる監督として、ユキサダさんがでてきたのか。

まぁ真実はどうか知らないし、別にどうでもいい話なのだが、ここまでモチーフが被る監督ってのもめづらしい気はする。

あとユキサダさんは実は、物語を構成して、パズルのように謎をといていく、というのは好きだけど苦手な人なのかな、とか思う。以前はわりと構成力のある人なのかなと思っていたんだけど。しばさきの役の女はひたすら、人格をあたえられずにいて、うすっぺらかったし。ちょっと計算しきれていなかったところが今回はあったきがする。

きょうのできごとの中でみせた他愛のないおしゃべりを魅力的に演出する力がユキサダさんの本来の魅力で、まぁそれだけをやる監督は日本の監督には多いんだけど、それ+構成力も多少あるから、さらにほかの監督よりも魅力的に見えたのではないかな、と思ったりした。

とりあえず面白かったけど、やっぱユキサダ組の仕事では、きょうのできごとがマイフェイバリットっちゅうことで。

そして追記追悼、岩井組を中心に今回の世界の中心で愛を叫ぶでもカメラをまわしていた篠田昇さんがお亡くなりになられたそうです。花とアリスで実際に遠くから見させていただいたときもやさしそうなかただなと思ったりしました。ご冥福をお祈りします。