シーン5 夜の自宅
○ 自宅(夜)
壁にギターがかけてある
ギターマニアをやっている雄一
夢中でやっている
手紙がきている
ゆうの声「いまこっちのほうにきてます
高校やめちゃって
一人暮らししてます。
ま、勘当みたいなものです。
いま思うところあって大検うけるために勉強してます。
そうそう、このあいだ、街をあるいていたら、偶然隆とあいました。
この街も狭いね。
また3人で遊びたいです。
消印4月
○ 海(回想シーン)
西島と雄一の親と雄一とゆうがいる
雄一がボーっと海を見ている。
視線の先に西島がいる。
西島、体が大きい。
西島「おーい、雄一、こいよ!競争しようぜ」
雄一「…」
雄一の親「ほら、よんでるわよ。いかないの?」
ゆう「いっちゃん、遊ぼうよ〜」
雄一「…」
雄一の親「まったく、この子は。隆君はあんなに元気なのに、なんでうちの子はこうなのかねえ」
雄一「…」
雄一、無言で海のほうに走り出す
○ 自宅(夜)
夕の声「というわけで今度の日曜日はどうかな?
携帯の番号は〜です
連絡待ってます」
その番号を押そうとするが
電話の内線の母の声「ごはん」
○ 同・リビング(夜)
母と二人で食事をしている。
母「またゲーム?」
雄一無言
母「そういえば予備校から夏期講習の申し込み講座がきてたよ」
雄一「まだいいよ」
母「いまからやっとかないと」
雄一「いいって」
母「あんた、ゆうちゃん、こっちきてるんだってね」
食事しながら顔をあわせず
雄一「あー」
雄一少し驚いた顔
雄一「・・・なんでしってんの」
母「なんでって、あんたあての手紙にかいてあったじゃない」
雄一、とまる
雄一「勝手にみたの?」
母親を見る
雄一「部屋はいんなよ」
母親は見ない
母「あの手紙ずいぶん前じゃない、ひさしぶりに3人で会いたいってかいてあったけど
あってきたの?」
雄一「いってない」
母「なんで」
雄一「別に、もう関係ないよ、あんま。今でせいいぱい」
母「だいたい、あんた折角隆君とまた同じクラスになれたのに、全然話してないんでしょ?
また、話すいい機会だったじゃない、隆君と」
雄一「・・・」
母「あんたたちなんでしゃべんなくなったんだっけねぇ。小学校のときはすごい仲良かったのに。ゆうちゃんといつもいっしょで3人であそんでてね。」
雄一「・・・」
母「最近すごいらしいわね、隆君、がんばってるって」
雄一切れる寸前、母をにらむ
母は台所にたって洗い物をし始める
母「ゆうちゃんたらどうしてるかね、会いたいわ」