シーン12−3 雄一と自転車(3)
○ 横断歩道 (夕)
信号を待っている雄一。
○ 線路沿い(夜)
電車においこされていく自転車。
○ 道(夜)
街灯の中を走る自転車
○ コンビニ(夜)
ジュースとパンを買う
前のおじさんが、クッキーを買っている
○ 空(夜)
綺麗な星空
星座がはっきりとみえる
○ 住宅街(夜)
自転車をとめて街頭をぼーっとみている
住所を確認する
雄一「迷ったかな」
横を人影がとおりすぎていく。
後姿と右耳のピアスが西島そっくりの男。
雄一「え?」
○ 住宅街(夜、回想シーン)
小学生の西島がこっちをみてる
西島「はやくこっちこいよ」
海の音
○ 同(夜)
雄一「なんなんだよ」
雄一「まだ、お前は先を…」
自転車を西島らしき人間がいったほうこうに走らせる。
○ 同(夜)
汗だくになって雄一が曲がり角を曲がる
すると男と女がはなしているのが遠くにみえる
思わず身を隠す
よくみるとそこには西島らしき人物と、ゆうがいる
雄一「ゆう」
雄一「どうなってんだ…」
ゆうが泣き出す
雄一「ゆう」
ゆうが西島らしき人間にもたれかかる
雄一がかべを殴る
雄一、自転車をこいできたみちを後にする
○ 道(夜)
電車とむかって走る
雄一、ひたすらこぐ
○ 暗転
雄一の声「僕は頭が混乱してその日ねつけなかった。あいつはアメリカにいったはずだ。ここから遠くへいってしまったはずなんだ。夢でおぼれたときの夢をみた。ゆうと西島がしている夢をみた。どこかに自分が走っている夢を見た。次の日の朝、母親が言った」
母「隆君、洪水に巻き込まれて行方不明だって」