Leanな生活について考えるブログ

「LeanStartUp」や「デザイン思考」や「UX」な考え方についていろいろ考えたり、日々の生活で実践したり。

【アート】 ものをつくることは「×」であり、ものをかんがえることは「+」である。

■ ものを作る、というのは無数の針に糸を一気に一本通すぐらいの難しさがある。
 
■ ものを考える、というのは、遠く離れた遠距離恋愛の二人をめぐりあわせるぐらい難しい。
 
■ 「ものを作る」ことと「ものを考える」ことは別物。優れた科学者は優れた表現者になるとはかぎらない。逆もしかり。同じ「ソウゾウ」でも前者は「創造」であり後者は「想像」である。
 
■ ものを作るということは、ことがらの掛け算だ。
 
■ ものを考えるということは、ことがらの足し算だ。
 
■ なにかものをつくるとき。色で「赤」を選ぶというのは色が仮にこの世に赤青緑の3色しかないとすれば確率「1/3」の行為だ。
 
■ 大きさで「小さい」を選ぶというのは、仮に大きさが「大きい」と「小さい」しかないとすれば確率「1/2」の行為だ。
 
■ つまり、「赤くて小さい」ものをつくるという確率は赤である確率「1/2」×「小さい」確率「1/3」で「1/6」となる。
 
■ 物を作るというのは、こういった選択、そして掛け算をひたすら行うことである。
 
■ もちろん現実的にはある程度の組み合わせ「パターン」が決まっており、それをいかにしっているかが「プロ」と「アマ」の違いを作る。
 
■ とはいえ、その作品がつくられる確率は、考えてみれば、おそろしく低い。要素が多くなればなるほど、その確率は神の領域に達する。これこそが創造物の「凄さ」であり、「美しさ」の源だと思う。
 
■ もうひとつの「世界」を神と同じように、0から作り上げる。ものを作ることの困難さはここに集約される。
 
■ なにかものを考えるとき。ものを考えるというのは、この場合、ある「要素」をみて、それが属するカテゴリーと仕組みを考えることだとする。
 
■ つまり要素「赤」がある。もうひとつ「青」がここにあるとする。この二つに共通する概念はなにか?「色」である。
 
■ ものをかんがえるということは「赤」である確率「1/3」のほかに「青」である確率「1/3」を足し合わせ、「2/3」とし、残りの「緑」という要素があることを予測し、全体を足し合わせて「1」となるようにすることだとおもう。そうやって「1」にすることで、新たな上位概念がうまれる。
 
■ 一見異なる「要素」をたしあわせて何かのカテゴリーにくくることは、難しい。日本の祭りと西洋の祭りが、行われてる事象としてはかけはなれているのに、それを同じカテゴリーとして最初に扱うというのは難しい行為だ。
 
■ そして「物を作る」ことと「物を考える」ことに共通する難しさはものを「見る」ことだ。どちらもある要素を既存の「もの」から取り出すことが、まず最初に立ち向かうべき困難である。りんごという「もの」から「赤」を取り出し、それをほかの要素と掛け合わせるのか、同じ種類の要素をたしあわせるのか。
 
■ すぐれた芸術家は「物を作る」能力に長け、すぐれた科学者は「物を考える」能力に長けている。
 
■ そして、どの分野でも「天才」と呼ばれる人々は両方の能力に長けている。
 
■ 今ある世界の中から美しいものを見つけ出し、それをつむぐ、奇跡の人々。僕は彼らを尊敬する。