【音楽】 帝王マイルスデイビス(1940年代) ジャズの歴史(2)
■ ジャズの帝王、マイルスデイビス誕生。
JAZZにおいて巨人と呼ばれる人々はいくらかいる。だが、この人ほど巨人という名にふさわしい人はいないように思える。マイルスデイビス。彼はまさにモダンジャズの歴史とともに歩み発展していった男。モダンジャズの申し子、といっても過言ではない。そんなマイルスはモダンジャズの誕生とともに世間に現れる。
マイルスは1944年にニューヨークへやってきた。ジュリアード音楽院入学という名目で。だが、彼の本音はしばらく前にあったビパップの創始者、パーカーを頼ってジャズミュージシャンになることだった。願い適って、パーカーのグループに入ることができた。そして、そこでまずビパップの真髄を身につけたのだった。
■ クールジャズの失敗?
しかし彼はまた同じところにとどまることのできぬ人間らしく、そうそうにビパップにも飽きてしまう。これこそが帝王の帝王たるユエン。ビパップというのは熱い、ホットで躍動的な演奏に特徴があった。しかしマイルスが次に作り出したのはその対極、クールで感情を抑制し、セッションなどのいきあたりの演奏ではない、きちんとしたアレンジのあるJAZZ、いわゆるクールジャズというジャンルだった。
だが世間はいまだビパップの熱冷めずといった感じでマイルスのクールジャズは世間にうけいれられず、マイルスの試みは失敗に終る。
だが彼の捜し求めた音楽が1950年代に入って、さまざまなところで開花していくのだった。
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