シーン23 ザネリ
○ 劇
リポーター「どうでした?」
女学生「ザネリはわたしだと思った」
男学生「ザネリはぼくだと思った」
雄一の声「ザネリは…」
ビデオが流れる
西島「 …いつもジョバンニとカンパネルラにあこがれるザネリでしかなかった。だから、銀河鉄道にのるために努力してきました。でもまだ、その切符がどこにあるのかわかりません」
西島「ここに飛行機のチケットがあります。これに乗って、アメリカに行きます」
西島「本当の幸いが銀河鉄道の終着駅、天上の国にはあると、カンパネルラはいいました」
西島「いつか本当に銀河鉄道にのれたら、と、心からそう思っています」
ビデオ乱れる
声も切れ切れ
西島「ごめん、雄一」
西島「帰ってきたら、できるならば、また3人で、遊びに行きたい、海へ」
ビデオ停止
雄一の声「ザネリは男の子だったのか女の子だったのか
僕たちはみんなザネリだった
僕たちは何者でもない
ザネリでしかないのです
内側には居ることができず
外側にも行くこともできず
僕たちはどこに行けば
「ホントウノサイワイ」を見つけられるのでしょうか?」